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機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアとは

機能性ディスペプシアとは、胃痛や胃もたれなどの不快な腹部の症状があるにもかかわらず、検査で調べても原因となる異常がない場合に診断される病気です。胃の不調を訴えて受診される方の4〜5割がこの病気と診断されています。健康診断を受けたうちの約1~2割の方にもこの病気が見つかっています。命に関わる病気ではないですが、症状は辛いものであり生活の質を落とすことにもつながります。

症状

  • 胃もたれ(膨満感)
  • すぐお腹いっぱいになる(早期満腹感)
  • 胸やけ・胃のむかつき
  • 吐き気、嘔吐
  • 胃痛
  • げっぷ
  • 食欲不振

原因

機能性ディスペプシアは、様々な要因が複雑に絡み合って発症します。主な要因は以下の9つで、 これらが互いに影響しているとされます。

  1. 胃運動の機能異常
  2. 胃に入った食べ物を十二指腸へ送る運動や、食べ物を胃に貯め込むために拡張する機能などに異常がある場合。

  3. 胃酸過多
  4. 胃酸の出過ぎ、出た胃酸によって胃の運動などに影響を与えている場合。

  5. 胃の知覚過敏
  6. 胃が刺激に敏感になっている状態で、通常よりも小さな刺激でも胃が反応する状態。

  7. ストレスなどの心理的要因
  8. 職場や人間関係などからくるストレスや不安など。

  9. 生活習慣の乱れ
  10. 暴飲暴食や睡眠不足、アルコールの飲み過ぎ、喫煙など。

  11. ピロリ菌感染
  12. ヘリコバクター・ピロリ菌に感染している。

  13. 遺伝子的要因
  14. 生まれつきなりやすい人もいます。

  15. 感染症胃腸炎にかかった人
  16. ノロウイルスやサルモネラ菌、カンピロバクターなどの感染症胃腸炎にかかった人。

  17. 胃の形
  18. 胃の変形がある場合。特に「瀑状胃(ばくじょうい)」と呼ばれる胃の上部が大きくなって垂れている人はなりやすいとされます。

検査

機能性ディスペプシアは、胃の痛みや不快感などの自覚症状があるのに胃潰瘍や慢性胃炎、胃がんなどの病気がない場合に診断されるため、医師による問診と検査が併せて行われます。

  • 上部内視鏡検査(胃カメラ)
  • 血液検査
  • ピロリ菌検査
  • 腹部CT検査
  • 超音波検査

治療

機能性ディスペプシアは患者さまによって要因が異なるため、治療法も異なります。まずは生活習慣の改善や薬物療法を行いますが、効果が出る薬や、症状が改善するまでにかかる時間は人それぞれです。一般的には消化管の運動機能を改善する薬、胃酸の分泌を改善する薬が推奨されます。症状の改善が見られない場合は漢方薬や抗不安薬、抗うつ剤などが推奨されています。また、ピロリ菌感染が認められた場合にはピロリ菌の除菌治療を行うことで症状の改善が見込まれます。

ストレスの要因を取り除けていなかったり、生活習慣が元に戻ってしまうと症状の改善後数ヶ月で再発すると言われています。

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