予約の際の注意事項
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クローン病とは「炎症性腸疾患」の一つで、主に小腸や大腸を中心とした消化管全体に炎症がおきることによってびらんや潰瘍ができる慢性の病気です。クローン病は、寛解(かんかい)期(症状が落ち着いた状態)と再燃(症状が悪化した状態)を繰り返します。
同じく、炎症性腸疾患の「潰瘍性大腸炎」という病気と同様、原因ははっきりとはわかっておらず国から難病に指定されています。ですが、適切な治療をして症状を抑えることによって健康な人とほとんど変わらない生活を送れます。クローン病は根治に至らない病気ですが、ただちに命に関わる病気ではないのです。
潰瘍性大腸炎 | クローン病 | |
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炎症の起きる箇所 | ・大腸のみ ・直腸から徐々に広がる |
・消化器全体(小腸や大腸、肛門を中心) ・複数にとびとびに発生 |
発症年齢 | 20代中心、幅広い年代 | 10代から20代前半 |
手術 | 症状の改善が見られない、排便のコントロールができない場合、大腸全摘 | 変形した腸の切除、肛門の症状が辛い場合は人工肛門 |
病変のできる部位 |
また、クローン病は炎症が起きる部位によって3つの型に分けられます。それぞれ症状と治療法が異なります。
原因は不明です。現段階では遺伝子的要因、環境因子(ウイルスや細菌感染、腸内細菌の変化、食べ物のアレルギーなど)が複雑に関与し、免疫系の異常反応で炎症が起こっていると考えられています。
クローン病は特に10代〜20代の若年者に発症しやすいとされています。発症年齢を男女別に見ると男性は20〜24歳、女性は15〜19歳に最も多く発症しています。クローン病の男女比は約2:1と男性に多く見られる疾患です。 世界的には、先進国で特に発症率が高く北米やヨーロッパで多く見られます。これは衛生環境や食生活が大きく影響していると考えられ、動物性脂肪、タンパク質の多い食生活はクローン病を発症しやすいと考えられています。
まず、上記の症状や血液検査の異常等からクローン病が疑われます。検査は主に大腸内視鏡検査やX線検査、胃の粘膜の内視鏡検査などが行われます。内視鏡検査の際に検体を採っての所見を行う場合もあります。
治療法は大きく分けて2つ、①内科治療(栄養療法や薬物療法など)と②外科治療があります。基本は内科治療が多いですが、合併症によっては外科治療(手術)が必要になります。これまでクローン病患者さんのほとんどが、一生のうちに一度は手術が必要になるといわれてきましたが、近年では治療の進歩によって手術を必要とする患者さんは減ってくる可能性があります。
寛解状態(症状が落ちついた状態)であっても病気は進行すると言われているので、症状が落ち着いていても治療を継続し、定期的な検査を行うことが大切です。
日本におけるクローン病患者は年々増加していますが、近年の治療法の進歩によって生命予後は短期的にも長期的にも良好とされます。 クローン病を原因とする合併症によって死亡するケースも見られますが、死亡率は一般の方と大きく変わりありませんし、寿命も大きな差はありません。
基本的にどの患者さんにも共通する「食べていけない食品」「食べていい食品」はありません。ご自身の病態に影響しやすい食品を見つけ、症状を安定させるようにするのが大切です。栄養バランスの良い食事を規則正しく摂りましょう。
寛解期には原則として大きな制限はありません。適度な運動は疾患の活動性を低下させて精神的ストレスを軽減するという報告もあります。活動期には心身の負担になる運動は避けるようにしましょう。
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