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胆嚢炎

胆嚢炎とは

胆嚢炎(たんのうえん)には、「急性胆嚢炎」と「慢性胆嚢炎」の2種類があります。

急性胆嚢炎

急性胆嚢炎は名前の通り、突然発生します。上腹部に持続的で激しい痛みを引き起こし、細菌感染、炎症により発熱します。急性胆嚢炎を発症した方の9割以上に胆石が見られます。この胆石が原因で胆嚢管が閉塞され、胆嚢壁の粘膜が炎症を起こし、炎症の進行とともに胆嚢壁が壊死することもあり、重症化することのある危険な病気です。

また、まれに胆石が原因でない「無石胆嚢炎」を発症することがあります。無石胆嚢炎は、別の病気などで容体がかなり悪い患者さんに見られる病気です。この無石胆嚢炎は他の胆嚢炎より症状が重く、治療しないと65%の患者が死亡すると言われています。 特に以下の状況に続いて生じることがあります。

  • 大きな手術
  • 重篤な外傷、重度の熱傷、血液の感染症(敗血症)などの深刻な病態
  • 長期間の点滴栄養
  • 長時間の絶食
  • 免疫系の異常

慢性胆嚢炎

慢性胆嚢炎は、胆嚢の炎症が長時間持続する病気です。この病気はほとんどの場合、胆石が見られる、もしくは過去に急性胆嚢炎になったことがある人が発症します。この病気は、胆石による胆嚢管の周期的な閉塞、つまり急性胆嚢炎の繰り返しをしているうちに胆嚢壁が厚く硬くなっていき、萎縮することで機能が低下します。また、胆嚢管が閉塞しなくても胆石の刺激で比較的軽い炎症が継続している状態です。症状は急性に比べて軽いことが多いです。

原因

主な原因は胆石が胆嚢管にはまり込むことで胆汁がうっ滞、あるいは逆流してしまい細菌感染を起こして胆嚢の壁に炎症が起きるためです。
胆石ができる原因は様々です。年齢を重ねるにつれて胆嚢の収縮機能が低下することが大きな要因として挙げられますが、その機能低下の原因も様々です。高脂血症や食生活の欧米化に加え、不規則な食生活、ストレスなどの生活習慣も原因と考えられています。最近ではピロリ菌の感染が収縮機能の低下の要因の1つとも言われています。

症状

急性胆嚢炎

右上腹部や背中に激しい痛み、吐き気・嘔吐、高熱・悪寒、右肩とその周辺の痛み、腹部のはり、食欲不振、疲労感・脱力感、黄疸など

慢性胆嚢炎

痛みを繰り返しますが、急性胆嚢炎ほど重度の痛みはなく長引くこともありません。 上腹部の圧痛・黄疸などがあります。

検査

腹部超音波検査

胆嚢内の胆石の発見に最適な方法です。

血液検査

血液中の炎症反応や肝機能を調べます。

腹部CT検査

胆嚢壁の腫大の様子や炎症の様子を調べます。

腹部MRI検査

CTと同様に胆のうの腫大した様子や胆嚢の周囲に炎症によって液体が貯留した様子を調べられ、さらに胆のう管内の結石の有無を調べます。

治療

急性胆嚢炎は、緊急で腹腔鏡下胆のう摘出術が行われることが多いですが、全身状態によっては経皮経肝肝のうドレナージを行い、抗生剤の点滴を行う保存的治療が選択される場合があります。

予防

  • 脂肪分を制限した食事を摂る。(鶏肉や魚でタンパク質を摂る)
  • 食物繊維をしっかり摂る。
  • ストレスをため込まない。
  • 肥満、糖尿病、脂質異常に気をつける。
  • コレステロールを多く含む食材を避ける。(レバー・あん肝・卵・イクラなど)
  • 糖分を摂りすぎない。
  • 適度のアルコール、コーヒーは胆石形成を抑制する作用がありますが、逆に摂りすぎると逆効果になるので気をつけましょう。

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