予約の際の注意事項
大腸カメラ検査は予約日の3日前までに事前診察を受診する必要があります。
大腸カメラ検査は8日先以降から予約が取れます。
予約日の3日前までに内科の事前診察を受診していない場合は自動キャンセルとなります。
大腸カメラの仮予約後、すぐに事前診察の予約をお取りください。
潰瘍性大腸炎とは持続した炎症が大腸に生じ、大腸の粘膜に深い欠損がみられたりただれができる「炎症性腸疾患」の病気の1つで、難病指定されている原因不明の病気です。
「難病」ときくと非常に珍しい病気のようなイメージを持たれる方も多いと思いますが、国内では16万人近い患者数がいると言われており、珍しくない病気となりつつあります。
潰瘍性大腸炎は、炎症が起きて症状が強く現れる「活動期」と、症状が治る「寛解(かんかい)期」に分けられます。適切な治療により、多くの人は寛解期を維持することができますが、人によっては再び活動期に戻り、活動期と寛解期を繰り返すこともあります。
発症年齢のピークは男性で20〜24歳、女性では25〜29歳ですが、若年者から高齢者まで発症します。性別によるかかりやすさなどは現在報告されていません。
潰瘍性大腸炎の患者数は年々増加しています。これは内視鏡による診断法が向上したことや、病気に対する認知度が向上したこと、食事を含む生活習慣の西洋化も関係していると考えられます。
潰瘍性大腸炎は「炎症性腸疾患」の1つです。炎症性腸疾患は主に2つの病気があり、もう1つは「クローン病」という病気です。どちらも慢性の病気でその発症原因は詳しくはわかっていません。
潰瘍性大腸炎 | クローン病 | |
---|---|---|
炎症の起きる箇所 | ・大腸のみ ・直腸から徐々に広がる |
・消化器全体(小腸や大腸、肛門を中心) ・複数にとびとびに発生 |
発症年齢 | 20代中心、幅広い年代 | 10代から20代前半 |
手術 | 症状の改善が見られない、排便のコントロールができない場合、大腸全摘 | 変形した腸の切除、肛門の症状が辛い場合は人工肛門 |
病変のできる部位 |
血便や下痢が認められます。また頻繁な腹痛、重症になると発熱、体重減少、貧血。
潰瘍性大腸炎はその症状の重さによって重症、中等症、軽症に分類されます。
軽症 | 重症 | |
---|---|---|
1)排便回数 | 4回以下 | 6回以上 |
2)顕血便 | (+)~(-) | (+++) |
3)発熱 | (-) | 37.5℃以上 |
4)頻脈 | (-) | 90/分以上 |
5)貧血 | (-) | Hb 10g/dl 以下 |
6)赤沈 | 正常 | 30mm/h 以上 |
軽 症:上記の6項目を全て満たすもの
中等症:上記の軽症、重症の中間にあたるもの
重 症:①及び②の他に、全身症状である③又は④のいずれかを満たし、かつ6項目のうち4項目を満たすもの
劇 症:重症の中でも特に症状が激しく重篤なものをいう。発症の経過により急性電撃型と再燃劇症型に分けられる。
劇症の診断基準は
(1)重症基準を満たしている。
(2)15回/日以上の血性下痢が続いている。
(3)38.5℃以上の持続する高熱である。
(4)10,000/mm3以上の白血球増多がある。
(5)強い腹痛がある。
発症原因は明らかではありませんが、「免疫異常」や、環境要因、食事などさまざまな要因が関係していると言われております。その他に心理的な理由や、食生活の変化も原因に関係している可能性が考えられています。
一般的に内視鏡による大腸検査を行います。血液検査では貧血、炎症の有無を確認します。
現在のところ、完治できる内科的治療はありません。ですが、腸の炎症を抑える効果的な薬によって症状をコントロールすることで、健康な人とほとんど変わらない生活を送ることができます。薬による治療で改善が見られない場合もしくは重症な場合は、外科手術で大腸全摘術を行う場合もあります。
治療目標は「寛解導入」と「寛解維持」の2つに別れます。「寛解」とは症状が落ち着いた状態のことです。
使用する薬剤は5-ASA製剤、ステロイド薬、免疫調節薬、生物学的製剤、免疫抑制剤、JAK阻害薬などがあります。
潰瘍性大腸炎は国が定めた「指定難病」のため、「中等症」以上の患者さまの場合、申請して認定された場合は医療費助成が受けることができます。腹痛や下痢を繰り返す方は一度検査することを推奨します。
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